危ない抜け毛の見分け方|毛根・太さ・長さは1本ではなく「ばらつき」で見る
1本の毛根に答えを求めると、たいてい間違えます。見るべきは全体のばらつきです。
抜けた毛を指でつまんで、根元をじっと見る。白いものが付いている、あるいは何も付いていない。それが何を意味するのかを調べて、余計に不安になる。よくある流れだと思います。
抜け毛の情報を探すと、毛根の形で状態が分かるという説明はたくさん出てきます。ただ、そこにはたいてい大きな前提が抜けています。毛根は肉眼ではっきり見分けられるものではないということです。
この記事では、まず何をどう観察するのかという手順から始めます。そのうえで、太さ・長さ・毛根の3点をどう読むかを整理します。結論から言うと、1本の毛で判断しないことが要点になります。
まず観察の条件をそろえる
見分け方を知る前に、見る条件を整えます。ここが崩れていると、どんな知識があっても読み取れません。
乾いた状態で見る。 濡れた毛は束になり、細さも長さも分かりません。ドライヤーの後、あるいは枕や床に落ちた毛を使います。
白い紙か明るい色の布の上に置く。 排水口や浴室の壁の上では、色も形も見えません。コピー用紙が1枚あれば十分です。
明るい場所で見る。 自然光の入る窓際が見やすくなります。手元が暗いと、毛根の色の違いはほぼ判別できません。
まとめて置いて並べる。 ここが要点です。1本ではなく、10本から20本を並べます。 数はきっちりでなくて構いません。並べて初めて、そろっているのか混ざっているのかが見えます。
スマートフォンのカメラで寄って撮り、拡大して見ると細部が分かりやすくなります。撮っておけば、翌月に同じことをしたとき比べられます。
見る点1:太さのばらつき
並べた毛を見て、太さがそろっているか、明らかに細いものが混ざっているかを見ます。
髪は生えてから伸びる期間に太く育ち、その周期を終えて抜けるという流れをたどるとされています。この流れが保たれていれば、抜けた毛の太さはある程度そろいます。
一方、育ちきる前に抜ける毛が増えると、細い毛の割合が上がります。問題は「細い毛があること」ではなく「太い毛と細い毛が混ざっていること」です。 誰にでも細い毛はあります。見ているのは割合と、そのばらつきの幅です。
もともと髪が細い人もいます。だから他人と比べるのではなく、そろっているかどうかという自分の中の基準で見ます。
見る点2:長さのばらつき
同じ並べた毛で、長さを見ます。
短い毛が混ざっていないか。ここでいう短いとは、いま伸ばしている髪の長さに対して明らかに短い、数センチ程度のものを指します。
短いということは、伸びる期間を十分に取らずに抜けたということです。1本や2本なら気にする必要はありません。切れ毛でも短い毛は出ますし、髪型によっては短い毛が常にあります。
見ているのはやはり割合です。並べた20本のうち、大半が今の髪の長さに近いのか、短いものが目に見えて混ざっているのか。太さの細さと長さの短さが同じ毛に重なっているときは、より情報量のあるサインとして扱われます。
見る点3:毛根の状態
ここが誤解の多いところです。整理します。
白い塊が付いていること自体は、異常を意味しません。 抜けた毛の根元に付く白いものには、髪を包んでいた組織が付いてきたものと、頭皮の皮脂などが付着したものがあり、どちらも健康な状態で見られます。白いものが付いているから危ない、という読み方は成り立ちません。
毛根が付いていないように見える場合も、それだけでは判断できません。 抜ける途中で切れた毛や、髪が引っかかって切れた毛には根元が残りません。並べた毛の大半に根元が見当たらないときは、抜けたのではなく切れている可能性のほうが先に来ます。
では何を見るのか。形のそろい方です。
- 根元にふくらみがあり、丸みを帯びている毛が多いか
- 根元が細く尖っていたり、しぼんだように見える毛が混ざっていないか
- 根元の色が、他の毛と比べて明らかに濃いものが目立たないか
繰り返しになりますが、1本で判断しないでください。 毛根の見え方は、抜け方や乾き具合、光の当たり方で変わります。並べたときに形がそろっているか、いくつかの型が混ざっているか。読み取れるのはそこまでです。
何本か見て、それでも分からないとき
分からないのが普通です。毛根の状態は、専門的には拡大して観察するものであり、肉眼と写真で確定できる性質のものではありません。
だから、判定しようとしないでください。 代わりに記録します。
紙の上に並べて撮った写真を、月に一度、同じ条件で残す。それだけで、次に確かめたいときの比較材料になります。1回の観察で答えを出すより、2回目があることのほうが価値があります。
そして、抜けた毛だけを見ていても分かることには限りがあります。残っている側の見え方と合わせて見ると、変化はもっと読み取りやすくなります。その考え方は抜け毛は1日何本まで正常?で整理しています。
セルフチェックの範囲を超えるサイン
ここまでは自分で確かめるための目安であり、医学的な診断ではありません。次のいずれかに当てはまる場合は、毛根を見るより先に医療機関にご相談ください。
- 円形にごっそり抜けた部分がある
- 数週間で急激に抜け毛が増えた
- 頭皮に強いかゆみ、赤み、痛み、大量のフケがある
- 産後、病後、服薬開始のあとから始まった
- 抜け毛と同時に体調の変化がある
特に、頭皮に炎症のような症状があるときは、抜け毛の見た目を分析するより、頭皮そのものを診てもらうほうが早く整理がつきます。
次の一歩
観察して、記録して、それでも気になるようなら、確かめる先を考える段階です。並べて撮った写真は、そのまま相談時の材料になります。
いま髪型でどこまでカバーできるのかについては、薄毛が目立ちにくい髪型の選び方で、明暗差と落差という同じ考え方から整理しています。良かれと思ったケアが遠回りになる例は薄毛でやってはいけないNG習慣にまとめました。
よくある質問
毛根に白い塊が付いているのは正常ですか。 白いもの自体は健康な状態でも見られます。それだけで良し悪しを判断するものではありません。太さ・長さ・形のそろい方を合わせて、全体の傾向として見てください。
毛根が付いていない抜け毛は危ないですか。 根元が残らない毛には、抜けたのではなく切れたものが含まれます。大半に根元が見当たらないなら、髪が切れている可能性を先に考えるほうが自然です。
何本くらい集めればいいですか。 10本から20本あれば、そろっているかばらついているかは見えます。きっちり数える必要はありません。1本だけで判断しないこと自体が目的です。
毎日見たほうがいいですか。 毎日見ると、日ごとの変動に振り回されます。月に一度、同じ条件で並べて撮るほうが、変化を読み取りやすくなります。
参考・出典
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」 https://www.dermatol.or.jp/medical/guideline/4742/
- 厚生労働省「医療広告ガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
本記事は一般的な情報の整理であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。判断に迷う場合は医療機関にご相談ください。
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。薄毛の原因や対処には個人差があります。症状や進行が気になる場合は、医師など専門家にご相談ください。